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2021/9/29(水) 00:00

楽器別に収納方法を紹介!理想的な保管環境とは?

ケースに収納されたトランペット

プロ・アマチュア問わず、楽器を演奏する方にとって「楽器の保管場所」は悩みのタネとなりやすい問題です。楽器は繊細なものなので、最適な温度や湿度のもとで大切に保管しないといけません。

しかしながら、どのような環境で保管したら良いのかわからず、クローゼットや押入れの中に詰め込んだままにしている方も少なくありません。

そこで本記事では、楽器別の収納方法を紹介し、楽器の状態を良好に保つコツについて解説していきます。「楽器を正しい保管方法を知りたい」「しばらく使わない楽器を大切に保管しておきたい」とお考えの方は、ぜひ本記事をご覧ください。

楽器の種類別の収納方法

楽器の保管と一言でいっても、楽器ごとに最適な方法や気を付けるべき点は異なります。自分が所持する楽器の保管方法を知り、必要な収納スペースやアイテムについて考えを深めていきましょう。

管楽器

管楽器は木管楽器と金管楽器に分かれるため、それぞれの収納方法を紹介します。共通する部分もありますが、楽器の素材によってとるべき対策が異なります。

  • 木管楽器
    クラリネットやオーボエといった木管楽器を保管する場合は、温度と湿度がポイントです。木管楽器は木でできている部分があるため温度差や湿度差に弱く、急激な変化があると楽器が痛むことがあります。そのため、一定の温度・湿度を保てる環境下で保管するよう心がけましょう。
    楽器の使用後、楽器の中に溜まった水気をしっかり拭き取ることも、木の部分を腐らせないために必要です。また、木管楽器にも金属部分があるため、手の油や汗で金属部分をサビさせないように、使用後は布でしっかり拭いておきましょう。

  • 金管楽器
    使用後に楽器内の水気を除去するのは木管楽器と変わりませんが、金管楽器は特にサビの予防が重要です。
    金管楽器は、サビに強い真鍮(しんちゅう)や亜鉛で作られることが多く、表面にも耐食性やサビへの耐性を強化する目的で、銀メッキ・金メッキなどが塗装されています。それでも、一度発生したサビは増殖していくので、気が付けばサビにより一部が緑色に変色してしまうことがあります。 サビないように、1ヵ月に1度はオイルやグリスを使ってメンテナンスをすると、サビの予防と進行を食い止められるでしょう。その他にも、直射日光に注意したり、湿度変化に気を配ったりすることで、楽器が痛む可能性を抑えられます。 ただし、湿度を気にして乾燥させすぎると、楽器の部品に含まれるコルクが縮んでしまう恐れがあります。湿度管理のために乾燥材を使いたい場合は、一般的な乾燥剤ではなく楽器店などで販売されているものを選びましょう。

弦楽器

続いて、利用者の多い楽器である弦楽器の保管方法を紹介します。ここでは、弦楽器のなかでも代表的な楽器であるギターとヴァイオリンを例に挙げて、解説します。

  • ギター

ギターは、どのくらいの保管するかによって保管方法が異なります。日々使っているのであれば、常にギターの状態を点検できるのでさほど心配する必要はありませんが、長期間保管しておく場合は、注意すべきポイントがいくつかあります。

1ヵ月程度の長期保管の場合、弦をずっと張った状態にしてしまうと、「ネックの反り」が生じる恐れがあります。そのため、弦を少し緩めておいて、ギターへの負担を軽減することが大切です。

それより長く、保管が1ヵ月を超えそうな場合は弦を一度外し、乾燥剤とともにケースに入れて保管することをおすすめします。また、定期的なメンテナンスを実施することも大切です。メンテナンスに併せて、ケース内の空気を入れ替えてあげれば、湿度調整も同時に行なえます。

なお、ケースの中にギターを保管している状況であっても直射日光は避け、エアコンなどの風が当たらない場所に置くようにしましょう。

  • ヴァイオリン

ヴァイオリンを長期間保管する場合は、あらかじめ楽器店へ簡易調整に出しておくとよいでしょう。楽器を清潔にしてからケースに入れることで、カビの発生を予防できます。楽器店へは、「長い期間保管する」と伝えたうえで簡易調整を依頼してください。

簡易調整が終わったあとは、保管ケースを掃除します。楽器を入れる前にケース内をきれいに掃除し、蓋を開けた状態で陰干ししておきましょう。掃除と陰干しをすることで、ケース内のホコリやゴミが楽器を傷めるリスクを減らし、湿度も調整できます。

意外に忘れがちなのが、楽器を拭くクロスの処置です。事前にケースから取り出しておくか、一度洗濯してからケースにしまうようにしましょう。

弦に関しては、楽器への負担を軽減するために、駒が倒れない程度に弦を緩めておきましょう。また、ケース内の湿気を防ぐ目的で、乾燥剤を使用することも効果的です。乾燥剤は楽器に触れないよう、小物ケースなどに入れた状態でケースにしまってください。

湿気を取り除く手段としては、布団圧縮袋の利用もおすすめです。ケースをまるごと圧縮袋に入れ、掃除機で軽く空気を抜いてあげると、ケース内の湿気を除去できます。

打楽器

次に、打楽器の保管方法を紹介していきます。打楽器はサイズの大きなものも多いため、保管には工夫が必要です。

ここでは、代表的な打楽器であるドラムセットを例に挙げて解説します。

  • ドラムセット

シンバルなどの金属部分はサビる恐れがあるため、楽器の使用中についた指紋や汗を布できれいに拭き取ってから保管しましょう。汚れが目立つ場合は、シンバルを専用のクリーナーで磨いてください。

ドラムセットを長期保管する場合、人によってはシェルが歪まないようにヘッドを緩めてしまいます。しかし、これでは逆にシェルが歪んでしまうため、ヘッドは緩めずに張った状態のまま保管しましょう。

ペダルやシンバルスタンドなどは、ハードケースなどにまとめて保管しておきます。ただし、シェルが木製の場合には、日光と湿度によって音が変化したり、ひび割れが生じたりする可能性があるため注意が必要です。

ドラムセットは風通しの良い、日の当たらない場所への保管が望ましく、ケースに入れて保管する際は定期的にケースを開けて湿気を取り除きましょう。特に、夏場は温度・湿度ともに高い状態になり、車に入れっぱなしにしていると、ドラムセットが変形することもあるのでご注意ください。

楽器の収納に適した環境とは?

ケースに収納されたアコースティックギター

ここまでは、楽器ごとの収納方法について解説してきましたが、ここからは楽器を保管する際の理想的な環境を紹介します。湿度・室温・日当たりの3つを踏まえて解説するので、ぜひ参考にしてください。

理想的な湿度は?

楽器を収納する際には、40~50%の湿度を保つのが理想といわれています。湿度が高すぎるとサビやカビの発生につながり、反対に乾燥しすぎていると、ひび割れなどが発生する恐れがあります。

湿度を調整する方法はいくつかありますが、自宅での保管であれば、除湿機やクーラーの除湿機能を使って湿度調整するのがよいでしょう。保管スペースに湿度計を設置しておき、湿度が一定に保たれているか定期的にチェックすることも大切です。

ケースに保管できるギターやヴァイオリンといった楽器であれば、乾燥剤による湿度調整が可能ですが、ピアノやドラムといった大型の楽器はそうはいきません。収納に使うスペースの湿度が40~50%の範囲となるように、部屋全体の湿度調整を行ないましょう。

収納に適した室温は?

楽器の収納に適した室温は、15~25度といわれています。これよりも室温が高い場所に楽器を置いてしまうと、塗装や接着剤が溶けて出すこともあるため、注意してください。

楽器にとっての大敵は、急激な温度の変化です。特に木の部分は温度の変化に弱く、ひびが入ったり、キーバランスが崩れたりする可能性があります。

理想は、年間を通じて温度が一定した場所へ保管することですが、季節ごとの気温差が激しい日本では、温度を一定に保つことは難しいかもしれません。その場合は、クーラーや扇風機などを活用して、温度調整を試みてみましょう。

日光の当たらない場所を選ぶ

直射日光による急激な温度変化が発生すると弦が切れたり、楽器自体にヒビが入ったりする恐れがあります。一見は問題ないように見えても、実はボディーが変形しており、音が変わってしまうことも考えられます。

そのため、楽器を収納する際は日光の当たらない場所に置くか、難しい場合には遮光カーテンなどで対策することが大切です。

「ケースに入れてあるから問題ない」と考える方もいるかもしれませんが、日光がケースに当たるとケース内の温度が上がり、楽器が劣化する可能性があります。したがって、楽器を保管する際は、日の当たらない収納場所を利用するようにしましょう。

楽器を長期間保管する際の注意点は?

数日程度の保管であれば、大きな問題は生じにくいでしょう。しかし、1ヵ月を超える長期保管の場合は、楽器の状態を維持するために押さえておきたいポイントがいくつかあります。

ここでは、楽器を長期間保管する際に気を付けたい、湿度調整・掃除・スペースの確保について解説します。

湿度の調整

湿度の高い部屋で楽器を保管すると、カビが発生しやすくなるだけでなく、ホコリと湿気によって、虫がわくこともあります。

自宅で楽器を保管する場合は、自室のクローゼットや押入れなどを利用しがちですが、風通しに気を付けないと湿気がたまってしまいます。特に長期間保管する場合は、年間を通じて湿度の変化も激しいため、季節ごとに湿度を調整することが大切です。

対策としては、除湿剤の使用や、収納場所のこまめな換気などが挙げられます。物を密集させるとそれだけ湿気も溜まりやすくなるため、可能であれば収納スペースに余裕を持たせてから楽器を保管しましょう。

こまめな掃除

「一度ケースに収納すれば、汚くなることはないだろう」と思われるかもしれませんが、小さなホコリなどは保管ケースのすき間から入ることがあり、こまめに楽器を掃除する必要があります。また、ケース内に湿気が溜まっていると、カビが発生している可能性もあるため、増殖する前に掃除しておくことが大切です。

湿気を取る目的で保管ケースを開けた際は、ついでに楽器とケース内を掃除しておくと効率的です。楽器を実際に手に取り、音色がおかしくなっていたり、サビついていたりしないか点検してみるとより効果的でしょう。

スペースに余裕をもたせて収納する

収納場所に余裕がないと湿気が溜まりやすいだけでなく、掃除のたびに楽器を出し入れする必要があるため、手間もかかります。

小さな楽器であれば、自宅の収納スペースに収まる可能性が高いものですが、ドラムセットや電子ピアノといった大型の楽器の場合、収納スペースの確保が難しいケースも多いでしょう。無理やり詰め込んで収納してしまうと、何かのはずみで楽器が倒れたり、他の収納物とぶつかったりして楽器が壊れることもあるため、注意が必要です。

楽器を長期保管する際に利用する収納スペースは、物の密集度を80%程度に抑えておくことをおすすめします。

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また、初期費用が発生せず、サービスの利用に審査や契約書類への記入なども不要であることも、利用者の利便性を高めています。

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まとめ

本記事では、楽器ごとの保管方法や、理想的な保管環境などについて紹介してきました。

楽器は非常にデリケートなものであるため、湿度・温度・日当たりなどを最適な状態に保ち、こまめな掃除や点検を行なうことが大切です。

自宅に収納スペースがない方は、モノオクのサービスを通じて、近くに預けスペースを提供している人がいないかチェックしてみてはいかがでしょうか。

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